床〜リノリウムの効果
バレエの発表会で欠かせない床材。「リノリウム」。
朝一番に劇場へ入ると、舞台さんがよいしょ!よいしょと重たいリノリウムを引いているシーンに会います。
圧をかけながら、舞台さんが足に力を入れているだろう、靴裏をキュッキュ!と鳴らせて幾人かの人たちでぴったりと敷き詰めます。
そこで出会うリノリウムはほぼ99%グレーのマット仕上げのものです。
使い込まれたものがだいたいです。
たまに、新しいリノの時はちょっとツヤ感があったりしてうっすらと反射したりして綺麗です。
一度、光沢感のあるリノリウムでの発表会を撮影した時には、ポワントの先まで光って見えて
写真の仕上がりもどことなくツヤツヤというか、とても新鮮でした。
ゲネプロでは、そのツヤツヤリノを生かしたく、袖で床にぺたりと這いつくばって実際の人物とリノに反射した
鏡の方の人物との面白さをどう写真で見せようかしら、と夢中になった覚えがあります。
ポワントが床にかすかにつくギリギリのところが、リノ鏡の方にもすごくギリギリのところで反射していて。
リノリウム一つの変化で一喜一憂しながら撮ってしまったことがありました。
昨年、ある公演で『ドンキホーテ』を見る機会がありました。
1幕のスペイン広場でのシーン。キトリとバジルと町の人達との賑やかなシーン。
ここでは(後で言われて気づいた!)リノリウムは「茶色」でした
(珍しい!茶色なんであるんだ!って)
確かに。グレーと茶色が選択肢にあったらここは茶色のリノがぴったりでした。
赤い衣装、スペイン>>グレーではなくってブラウン!!
2幕の「夢の場」でのシーン。
照明がブルーグリーンがかってぐんと明かりも落ちて。
夢の中のお話のシーン。
衣装もキューピッドの白、森の女王のグリーン、ドルシネア姫のピンク。
幻想的な美しい場面です。
ここでは(これも後で言われて気づいた!)リノリウムはなんと「黒」に変わっていたのです。
舞台さん!舞台転換でリノリウム敷き変えちゃいました!
(ことにびっくり!できるんだ!!)
幾度思い返してみても、グレーはありだと思うんです。でもより幻想的に。
空間をぎゅっと締めてみせるには(わからないけど)ブラック>>グレー。
断然「ブラックリノリウム」で大正解!と思いました。
(そのあとはもうさすがにブラックで通しです)
〜ちょっと小話〜
ブラウンリノの下にブラックを敷いておいて。
2幕への転換の時にブラウンを剥がしたそうです。
1幕ではリノが2枚重ねなので、ジャンプは楽だったけどピルエットが足先食い込んで取られそうになるとか。。
ダンサーさんも苦労が絶えません。。。
発表会でのお写真を見ていただくとわかると思うのですが、客席後方から撮影をすると画面ほとんどにリノが入っていることがわかります。
私は撮影するだけの立場なので詳しいことはわからないので頭の中での想像の話ですが。
ブラウンもブラックもありでツヤツヤリノもありなのですがストン、と落ち着くのはやはり見慣れたマットなグレーなのかしら、といつもの感じに収まります。
ブラックもブラウンも一体どんな感じか!と、撮ってみたい!欲はあって、見え方が全く想像できません。
ただ、メインはダンサーさんなので床がどうとか見え方がどうとかの演出の部分は次の次のもっと次くらいのことです。
滑らずダンサーさんが安心して踊れる床が一番なのでしょうね。
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