藤田嗣治の「白鳥の湖」
今年の初めに、新聞の1面でこの記事を見ました。
藤田嗣治の「白鳥の湖」 東京シティバレエ団による復元公演
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201802/CK2018021602000112.html
(朝日新聞 より)
恥ずかしながら、私はこの話を知らずこの記事を見て初めて知りました。
白鳥の湖の背景画の草案が公演中に盗まれてしまったとのこと。そして今でも見つからずのままだということ。
盗難事件を「神秘的」と言っては怒られてしまいますが、それほど舞台美術に認知のなかった藤田嗣治の背景画を誰が盗み、今は一体どこにあるのだろうか?
と思うと、やはり「神秘的」と思ってしまいます。
淡い色で描かれた背景。この前で真っ白な白鳥たちが踊る姿は想像するだけで夢のような世界です。(この公演をみることができなかったのですが。。)
舞台転換の休憩時間に、楽屋裏へ行こうと舞台袖を通ると
舞台さん大勢で、背景の幕をくるくると巻いている姿を見ることがあります。
プロの方が手際よく巻いても、舞台の背景全てを覆いひとつの世界を作ってしまう1枚の布ですから。
かなりの大きさを重量があるのが見てわかります。(撤収時には大きなトラックにのっかって帰ります)
盗まれたのは「草案」ですから大きなものではなかったのかもしれませんが。
こちらは藤田嗣治が描いた猫。
猫もずいぶんと愛したようです。
もし草案の現物が残っていたら。
淡い柔らかい背景画の前で踊る、優美な白鳥たちを
ちょっとだけでいいので写真で撮ってみたいな。と思います。
世の中には「神秘的」なことがいっぱい。
話がずいぶんと俗っぽくなりますが。
毎週月曜日の夜にTVで放映されている「グレーテルのかまど」
先週、名古屋でコンクールの撮影後ビジネスホテルで見ていました。
この番組のことは知ってはいましたが、しっかりと見たことがなかったので
大仕事を終えて、ほくほくとしながら30分楽しく見ていました。
この日のレシピは「プラムケーキ」、だったのですがそのお菓子にまつわる「お話」が面白いのです。
児童文学の中の一つのお話で、大泥棒を捕まえるための少年たちの心の支えが「みんなで食べるプラムケーキ」だとのこと。
プラムケーキの話がしたいわけではなく、番組紹介がしたいわけでもなく。
藤田嗣治の白鳥の湖のお話と同じ。
「そこに隠れたストーリーがある」ということが、そこを知れることが本当に面白いと思うのです。
バレエでも、踊りの中にはストーリーがあって役柄があって一つ一つに意味が持たれています。
(フロリナ王女のVa.の時も、たくさんのお話し逸話を教えていただきました)
裏側にあるストーリーを知って踊ること(知って見ること)と知らずに表面をなぞること。
一見してはそんなに違わないかもしれませんが、やっぱりその「背景」にあるストーリーを知って
ものに向かうのは、心が「面白い!」と感じやすくなるかもしれません。
そんなにもいちいち「背景」にこだわっている時間はないかもしれませんが
自分が「お?」と思ったものはひとつ「隠れたお話」を探してみると
忘れることなくひとつ大事に胸にしまっておくことができるかな、なんて思います。
(今日はひどい散文!失礼いたしました。)
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